「結婚相談所で結婚した夫婦は離婚率が低い」——婚活の情報を調べていると、こうした記述と一緒に「離婚率◯%」という具体的な数字を見かけます。
当サイトで確認した結論から書きます。厚生労働省の人口動態統計に、出会いの経路別(結婚相談所か、職場か、アプリか)の離婚率の集計はありません。 当サイトが2026年8月16日までに確認した主要な公的統計にも、経路別の離婚率を同じ基準で比較したものは見当たらず、ネットで流通する「結婚相談所の離婚率◯%」という数字についても、調査主体・調査方法・母数まで確認できる一次出典を見つけられませんでした。
この記事では、①「離婚率」という言葉そのものの誤解、②公的統計でわかる離婚の実像、③結婚相談所について本当に言えること、を出典つきで整理します。
当サイトは、出典を確認できない数値を「事実」として紹介しません。この記事に登場する数値はすべて、厚生労働省・内閣府・IBJ(調査主体明示)の公表資料にもとづき、出典と時点を本文に記載しています。
「3組に1組が離婚」も誤解です
離婚率の話をする前に、最も広く流通している誤解から片付けます。
2024年(令和6年)の人口動態統計(確定数)では、婚姻が48万5,092組、離婚が18万5,904組でした。ここから「18.6万÷48.5万=約38%、つまり3組に1組は離婚する」という計算をよく見かけますが、この割り算を「結婚した夫婦が離婚する確率」として使うのは誤りです。

なぜなら、今年の離婚件数には5年前、10年前、30年前に結婚した夫婦が含まれるからです。発生時期の異なる結婚を含むため、同じ夫婦の集団を追跡した割合にはなりません。「2024年の離婚件数は同年の婚姻件数の約38%に相当する」という年ごとの件数比較としてなら正しい数字ですが、「結婚したら38%の確率で離婚する」という意味にはならない——ここが誤解のポイントです。
国の統計で「離婚率」と言うときは、人口千人あたりの離婚件数(普通離婚率)を指します。2024年は1.55(前年1.52)でした。ただしこれも総人口を分母にした「その年の発生率」であり、結婚した夫婦のうち最終的に何%が離婚するかを表す数字ではありません。
では「結婚した夫婦が生涯で離婚する確率」はいくつなのか——実は、この数字には確定値が存在しません。将来の離婚動向を含めないと計算できないためです。過去に結婚した集団を追跡した累積割合や、一定の仮定を置いた研究上の推計はありますが、いずれも「離婚÷婚姻=38%」とは別のものです。
| 指標(2024年・確定数) | 数値 |
| 婚姻件数 | 48万5,092組 |
| 離婚件数 | 18万5,904組 |
| 婚姻率(人口千対) | 4.0 |
| 離婚率(人口千対) | 1.55 |
出典:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」(2026年8月16日確認)
「結婚相談所の離婚率◯%」の出典を確認できませんでした
では、経路別の離婚率はどうでしょうか。
- 人口動態統計は、届出から作られます。 離婚の調査票に「どこで出会って結婚したか」の項目はないため、人口動態統計だけでは経路別の離婚率を集計できません。なお、出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)には「夫婦が知り合ったきっかけ」の設問がありますが、調査時点で夫婦である世帯が対象のため、離婚した夫婦を含めた「経路別の離婚確率」を出す設計ではありません
- 当サイトが確認した範囲で、内閣府の資料(結婚と家族をめぐる基礎データ・2026年8月16日確認)にも、出会いの経路別の離婚率の集計はありません
- ネットで見かける「結婚相談所の離婚率は10%」「6.8%」といった数字について、調査主体・調査年・母数・調査方法まで遡って確認できる一次出典を見つけられませんでした(2026年8月16日時点。当サイトが確認できなかっただけで、存在する可能性は否定できません)
「離婚率◯%」という記述を見たら、誰が・いつ・誰を対象に・どう数えたかが書かれているかを確認してください。書かれていなければ、その数字を根拠に判断しないことをおすすめします。これは当サイトの記事に対しても同じです(本記事はすべての数値に出典を付けています)。
相談所の成婚データからも離婚率は出せません
もう1つ、構造的な理由があります。結婚相談所の「成婚」は、婚約段階での退会を指すのが一般的です。
たとえばIBJは「プロポーズが成功し『婚約』した時点を成婚としています」と定義しています(成婚の定義の詳細はこちら)。会員は入籍の前に退会するため、通常の成婚実績データだけでは、その後の離婚率を算出できません。 離婚率を示すには、退会者を対象にした別途の長期追跡調査が必要で、当サイトはそうした調査の公表を確認できていません。
「相談所で結婚すると離婚しにくい」という主張を検証するには本来この種の追跡調査が要る——それが公表されていない以上、低いとも高いとも言えない、が正確なところです。
公的統計でわかる離婚の実像
経路別の離婚率はわからなくても、離婚全体について公的統計から言えることはあります。
- 離婚件数は年間18万5,895組(2024年概数・厚生労働省)。1960年代の約7万組から大幅に増えたのち、2000年代以降は減少傾向にあります(内閣府データ集の系列では2000年26.4万組→2021年19.3万組。元出典は厚生労働省「人口動態統計」)
- 親権を行う子がいる離婚が全体の約6割(2020年・約11万1千件。出典:内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」令和4年3月、厚生労働省「人口動態調査」より内閣府作成)
- 婚姻の約4件に1件は再婚(夫妻の一方または双方が再婚の婚姻が全婚姻件数に占める割合・2020年26.4%。出典:同上)
最後の数字は、この記事の読者にとって特に意味があります。離婚を経験した人が再び結婚するのは、統計的に見てまったく珍しくないということです。当サイトの再婚向けの記事では、再婚の婚活を具体的に整理しています。
結婚相談所について、データで本当に言えること
「離婚率が低い」は言えません。ただし、公表データから言えることはあります。
- 結婚までの過程が測定されている:IBJ成婚白書(成婚会員19,112名・2025年)では、IBJネットワークの成婚者の代表像として、お見合い回数約11回・交際期間約4か月が示されています。「短い交際で決めて大丈夫か」と感じる方は、この速度感を前提に、交際中に確認すべきことを担当者に相談しながら進める設計だと理解してください
- 書類確認がある:独身証明書・収入証明などの提出が前提のため、婚姻歴や収入の虚偽から始まる結婚は起きにくい仕組みです(年収証明の話はこちら)
- 結婚後のことは自分たちで決める:成婚(婚約)後の生活設計——家計・住まい・仕事——は相談所のサービス範囲外です。結婚後の手続きの記事が実務の参考になります
よくある質問

- 結婚相談所で結婚すると離婚しにくいのは本当ですか。
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それを裏付ける比較可能な公的統計を、当サイトは確認できませんでした。人口動態統計の調査票に出会いの経路の項目がなく、相談所側も成婚(婚約)時点で会員が退会するため、通常の成婚データからは離婚率を算出できません。「低い」とも「高い」とも、データでは言えないのが正確なところです。
- 「日本人の3組に1組が離婚する」は本当ですか。
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その年の離婚件数を婚姻件数で割った数字(2024年は約38%)を、結婚した夫婦の離婚確率と解釈するのは誤りです。今年の離婚には過去のさまざまな年に結婚した夫婦が含まれるためです。国の離婚率(人口千対)は2024年で1.55ですが、これも総人口あたりの年間発生率で、生涯の離婚確率ではありません。
- ネットで「結婚相談所の離婚率は10%」という記事を見ました。
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当サイトが確認した範囲では、そうした数字の調査主体・母数・方法まで確認できる一次出典を見つけられませんでした(2026年8月16日時点)。出典の書かれていない数字は、判断の根拠にしないことをおすすめします。
- 離婚経験があると結婚相談所で不利ですか。
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婚姻の約4件に1件は再婚です(2020年・公的統計)。またIBJ成婚白書(2025年)では、再婚女性の成婚相手の47.2%が初婚男性で、成婚までの期間は初婚女性より約1.1か月短いという集計もあります(IBJネットワークの成婚会員データ)。詳しくは再婚向けの記事をご覧ください。
- 離婚率の正確な最新値はどこで見られますか。
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厚生労働省の人口動態統計です。毎年6月頃に前年の概数(月報年計)が、その後に確定数が公表されます。本記事の数値は令和6年の確定数(2026年8月16日確認)です。
まとめ
- 人口動態統計に出会いの経路別の離婚率の集計はなく、当サイトが確認した主要な公的統計にも見当たらない。「結婚相談所の離婚率◯%」の一次出典も確認できなかった(2026年8月16日時点)
- 「離婚÷婚姻=38%」は年ごとの件数比較としては正しいが、結婚した夫婦の離婚確率としては使えない。国の離婚率(人口千対)は2024年で1.55(これも生涯の離婚確率ではない)
- 相談所の「成婚」は婚約段階の退会であり、通常の成婚データからは離婚率を算出できない(別途の長期追跡調査の公表も確認できず)
- 公的統計で言えるのは:離婚は年間約18.6万組(2024年確定数)/親権を行う子がいる離婚が約6割(2020年)/婚姻の約4件に1件は再婚(夫妻の一方または双方が再婚)
- 相談所についてデータで言えるのは「結婚までの過程」まで。結婚後を決めるのは本人たち
