「年収がいくらあれば結婚相談所で結婚できるのか」——この問いには、公開されているデータで答えられる部分がかなりあります。
IBJが公表している成婚白書(2025年・成婚会員19,112名)によると、成婚した男性の年収で最も多いのは500万円台(20.4%)、次いで600万円台(18.2%)です。そして年収700万円台から成婚率は頭打ちになり、800万円以上でも43〜46%にとどまります。「年収は高いほど無限に有利」というイメージとは違う実像が見えます。
この記事では、①入会に年収基準はあるのか、②会員の年収層はどうなっているのか、③年収と成婚のしやすさの関係、を公開データだけで整理します。
成婚白書のデータはIBJ結婚相談所ネットワークの成婚会員19,112名(2025年1月1日〜12月31日)を対象とした調査で、業界全体の統計ではありません。分析テーマごとに母数が異なるため、本文では各データに母数を併記しています。「成婚」はIBJの定義(婚約段階での退会)です。各社の会員データはそれぞれ母集団・時点が異なるため、社どうしの数値を並べて優劣を比較することはできません。 出典と確認日は本文に記載しています。
入会に「年収基準」はあるのでしょうか【2026年8月時点】

まず入口の話です。当サイトが主要7社の公式サイトで確認できた範囲では、こうなっています。
| 会社 | 年収に関する公式の記載 |
| IBJメンバーズ | 男性は年収基準あり(公式の入会資格比較表。具体的な金額は公表されていません) |
| エン婚活エージェント | 「男性は100%定職についている方です。すべての会員さまに年収証明をご提出いただいております」 |
| その他5社 | 入会時の証明書類として収入証明に言及する会社はあるが、年収の下限基準の公表は確認できず |
出典:各社公式サイト(IBJメンバーズ・エン婚活は2026年8月14日、他は2026年8月14〜16日確認)
ポイントは2つです。
- 明確な「年収の足切り」を公表しているのは、確認できた範囲でIBJメンバーズの男性のみ(金額は非公表)
- ただしどの相談所も、入会時に収入を証明する書類(源泉徴収票など)の提出を求めるのが一般的です。プロフィールの年収は自己申告ではなく証明ベース——これが結婚相談所とマッチングアプリの大きな違いです
会員の年収データを公開している3社
会員の年収層を公式に公開している会社は、当サイトが確認できた範囲で3社です。母集団と時点がそれぞれ違うため、3社を横並びで比較しないでください。
| 会社(五十音順) | 公式の記載 | 母集団・時点 |
| IBJメンバーズ | 男性の90.2%が年収500万円以上、70.8%が600万円以上 | 自社会員・2026年1月1日時点(年収非公開会員含む) |
| ツヴァイ | 男性の49.6%が年収500万円以上 | ZWEI+IBJ(連盟込み)・2025年1月末時点 |
| パートナーエージェント | 年収500万円以上:男性69.5%・女性34.7% | 自社会員・2023年9月1日時点 |
出典:loungemembers.com/about/data(2026年8月14日確認)/p-a.jp/introduce/data/(2026年8月14日確認)/zwei.com/service/profile/(2026年8月16日確認・グラフ画像より)
数字の高低は入会基準や母集団の違いを反映したものです。たとえばIBJメンバーズは男性に年収基準を設けているため高くなり、ツヴァイの数値は約4,300社が接続するIBJ連盟込みのため、母集団が最も広くなります。
なおIBJメンバーズは、このデータを国税庁の平均給与と対比して示しています。当サイトでも原典を確認しました。国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円(男性587万円・女性333万円)です(2026年8月17日確認)。どの相談所でも、会員の年収層は給与所得者全体の平均より高めというのが公開データから言える範囲です。
成婚した男性の年収はいくらか(IBJ成婚白書)

入会者ではなく「実際に成婚した人」の年収を見ます。IBJ成婚白書(2025年・成婚男性9,569名の分析)によると:
- 成婚した男性の年収で最も多いのは500万円台(20.4%)
- 次いで600万円台(18.2%)
- 500〜600万円台で全体の約4割を占める
出典:IBJ成婚白書 第4回(2026年8月16日確認)
「婚活市場の主役は年収500〜600万円台」というのが実データです。年収1,000万円のような高年収層が成婚者の中心なのではありません。
なおこれは成婚者の構成比であり、「500万円台が最も成婚しやすい」という意味ではありません。構成比はその年収帯の会員数の多さの影響も受けます。成婚のしやすさ(成婚率)は次で見ます。
年収が高いほど成婚しやすいのか
同じ白書は、年収帯ごとの成婚率も示しています。
- 男性の成婚率の全体平均は34.6%(この分析での定義による)
- 400万〜500万円台で平均を上回る
- 700万円台から頭打ちになり、800万円以上でも43〜46%
つまり年収400万〜500万円台で平均を超えはじめ、700万円台以降はほぼ差がつきません。 白書はこの理由として、女性側が年収の高さよりも「年の近さ」や家事・子育てを一緒に担えることを重視する傾向を挙げています。
なおこれは男性本人の年収とその男性の成婚率の関係です。「年収800万円以上を希望する女性がどれだけ成婚できるか」を直接示すデータではありませんが、該当する男性の母数が限られること(成婚男性のうち500〜600万円台が約4割)は、条件設定の参考になります。
「年収800万円以上の男性」は給与所得者全体でどれくらいか
希望条件に該当する男性の母数は、国税庁の統計でも確認できます。「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した男性給与所得者の給与階級別分布は:
- 最も多いのは400万円超500万円以下(16.9%)、次いで500万円超600万円以下(14.7%)——IBJの成婚データと同じく、一般の給与分布でも400〜600万円台がボリュームゾーンです
- 800万円超は合計18.4%(約2,925万人中538万人)
ただし18.4%は全年齢の数字です。同調査の年齢階層別平均給与は25〜29歳438万円・30〜34歳512万円・35〜39歳574万円で、最も高い55〜59歳でも735万円。平均給与が最も高い50代後半でも800万円に届かないため、婚活の中心年代に限れば800万円超の該当者は全年齢の18.4%より少ないと考えるのが自然です(年齢×年収のクロス集計はこの調査の概要には掲載されていないため、年代別の割合は断定しません)。
さらに、婚活の相手になるのは未婚の男性です。総務省の就業構造基本調査を当サイトが集計したところ、働いている35〜39歳の未婚男性では、年収800万円以上は3.9%・600万円以上でも13.6%でした。年齢別・男女別の詳しい分布は未婚男性・未婚女性の年収分布の記事で整理しています。
出典:国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」第16表・第14図(2026年8月17日確認)
女性の年収は成婚に影響するのでしょうか
IBJ成婚白書(第5回)は女性についても分析しています。
- 女性は年収帯によらず、成婚率は30〜40%の範囲で、年収帯別の大きな差は見られません
- 「女性の年収の高さは成婚の妨げにならない」——これは当サイトの断定ではなく白書自身の結論です
出典:IBJ成婚白書 第5回(2026年8月16日確認)
「女性は年収が高いと結婚しにくい」という通説は、少なくともIBJネットワークの成婚データでは確認されていません。パートナーエージェントの公開データでも、女性会員の34.7%が年収500万円以上です(2023年9月時点)。国税庁の統計では、1年を通じて勤務した女性給与所得者のうち年収500万円超は17.7%(令和6年分)なので、会員の年収層が一般より高めであることは女性側にも当てはまります。
世帯年収で見ると婚活市場の実像がわかります
同じ白書で最も示唆的なのが世帯年収です。
- 成婚した夫婦の81.8%が世帯年収1,000万円以上
- 東京では90.4%(東京以外は78.0%)
- 世帯年収1,000〜1,599万円の帯は2017年の57.7%から2025年には63.5%へ拡大
出典:同 第5回
一人の年収で見ると500〜600万円台が主役なのに、世帯で見ると1,000万円超えが8割——IBJネットワークの2025年成婚データでは、二人の年収を合わせて世帯を作る組み合わせが多数派です。「相手の年収だけで家計を支えてもらう」前提の婚活は、少なくともこのデータの実像とはずれている、ということです。
なお国税庁統計の平均給与は男性587万円・女性333万円(令和6年分)で、平均どうしを単純に合算しても920万円です。「成婚夫婦の81.8%が世帯1,000万円以上」という数字は、共働きが多数派というだけでなく、相談所会員の年収層が給与所得者全体の平均より高めであることの表れでもあります。
年収に不安がある場合はどう考えればよいか
公開データから言える範囲で整理します。
- 年収400万〜500万円台で、成婚率は既に全体平均超え(IBJ白書)。「年収が低いから相談所は無理」と決めるのは早い
- 年収を証明ベースで示せるのは相談所の強み。アプリの自己申告年収と違い、実額で信頼してもらえる
- 費用面が不安なら、成婚料0円プランやオンライン完結型など総額を抑える選択肢がある。料金相場の記事と費用を抑える方法にまとめている
- 相手に高年収を求める場合は、700万円以上で頭打ちになるデータと、世帯年収1,000万円以上が多数派というIBJの集計を知ったうえで条件を設定する
よくある質問

- 年収が低くても結婚相談所に入会できますか。
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当サイトが確認できた範囲で、年収の下限基準を公表しているのはIBJメンバーズ(男性・金額非公表)のみです。他社は定職や収入証明の提出を条件とするのが一般的で、金額の足切りを公表していません。IBJ成婚白書では、年収400万〜500万円台の男性の成婚率は全体平均(34.6%・同白書の定義による)を上回っています。
- 年収はごまかせますか。
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結婚相談所では入会時に源泉徴収票などの収入証明の提出を求めるのが一般的で、プロフィールの年収は証明にもとづきます。エン婚活エージェントは「すべての会員さまに年収証明をご提出いただいております」と明記しています。自己申告のマッチングアプリとの大きな違いです。
- 女性も年収証明が必要ですか。
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会社によります。エン婚活エージェントは男女とも年収証明の提出を明記しています。女性の年収がプロフィールで必須かどうかは各社の入会案内でご確認ください。なおIBJ成婚白書では、女性の年収の高さが成婚の妨げになる傾向は確認されていません。
- 相手に年収800万円以上を求めるのは現実的ですか。
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IBJ成婚白書では、成婚した男性の最多は年収500万円台(20.4%)で、500〜600万円台が約4割です。800万円以上の男性は成婚率でも43〜46%と頭打ちで、該当者の母数自体が多くありません。国税庁の統計でも、年収800万円超の男性給与所得者は全年齢で18.4%、婚活の中心年代の平均給与は438万〜574万円です(25〜39歳・令和6年分)。IBJの集計では成婚夫婦の81.8%が世帯年収1,000万円以上なので、「二人で1,000万円」を基準に考えるほうがデータの実像に合っています。
- このデータは業界全体の話ですか。
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いいえ。成婚白書はIBJ結婚相談所ネットワークの成婚会員19,112名(2025年)の集計で、業界全体の統計ではありません。また各社の会員年収データも母集団・時点がそれぞれ異なるため、この記事では社どうしの数値比較をしていません。
まとめ
- 成婚した男性の年収は500万円台が最多(20.4%)、500〜600万円台で約4割(IBJ成婚白書・成婚男性9,569名)
- 男性の成婚率は年収400万〜500万円台で平均超え、700万円台で頭打ち。800万円以上でも43〜46%
- 女性は年収帯別の成婚率に大きな差が見られない(どの帯も30〜40%・IBJ白書)
- 成婚夫婦の81.8%が世帯年収1,000万円以上(IBJの集計対象)。二人の年収で世帯を作る組み合わせが多数派
- 国税庁統計では男性給与所得者の800万円超は18.4%(全年齢)。一般の給与分布でも400〜600万円台がボリュームゾーン(令和6年分)
- 年収の下限基準を公表しているのは確認できた範囲でIBJメンバーズ(男性)のみ。ただし収入証明の提出はどの相談所でも一般的
- 会員の年収層を公開しているのはIBJメンバーズ・パートナーエージェント・ツヴァイの3社。母集団が違うため横並び比較はできない
