結婚相談所とのトラブルの多くは、法律で何が決まっているかを知っていれば防げるか、知っていれば有利に解決できるものです。
結婚相手紹介サービスは、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に指定されています。これにより、書面の交付、クーリング・オフ、中途解約時の請求額の上限が法律で定められています。この記事では、消費者庁のガイドから内容を転記して整理しました。
当サイトは出典のない体験談や口コミを掲載していません。「こんな被害がありました」という物語は、検証できないうえに、読んだ方の判断を歪めます。代わりに、法律で何が決まっているかと、各社が公式サイトで何を約束しているかだけを、出典つきで書いています。
結婚相談所は特定商取引法の対象です

消費者庁の特定商取引法ガイドによると、「いわゆる結婚相手紹介サービス 結婚を希望する者への異性の紹介」は特定継続的役務に指定されています。
対象になるのは、次の2つを両方満たす契約です。
| 要件 | 内容 |
| 期間 | 2月を超えるもの |
| 金額 | 5万円を超えるもの |
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド(2026年8月14日確認)
主要な結婚相談所は、通常の契約形態であればこの要件に当てはまります。当サイトが料金を確認した7社のうち、エン婚活エージェントだけは契約形態が異なります(後述)。
1. 契約前に書面をもらう権利があります
特定継続的役務提供では、事業者に2種類の書面を交付する義務があります。
| 書面 | いつ | 内容 |
| 概要書面 | 契約締結の前 | 当該契約の概要を記載した書面 |
| 契約書面 | 契約締結後、遅滞なく | 契約内容について明らかにした書面 |
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド(2026年8月14日確認)
「その場で契約すれば割引します」と言われても、概要書面をもらって持ち帰る権利があります。 契約前の書面交付は事業者の義務であり、お願いして出してもらうものではありません。
概要書面を受け取ったら、次の4点を確認してください。①1年間活動した場合の総額はいくらか ②成婚料が発生する条件は何か ③途中でやめる場合の手続きと金額 ④休会できるか、その間の月会費はいくらか。 どれも金額に直結しますが、料金表の大きな文字には出ていないことがあります。
2. 8日以内ならクーリング・オフできます
同ガイドの記載です。
法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面又は電磁的記録により契約の解除(クーリング・オフ)をすることができます
起算点は「契約した日」ではなく「法律で決められた書面を受け取った日」です。 ここは間違えやすいところです。書面の交付が契約日より後になった場合、8日間はその書面を受け取った日から数えます。
方法は書面または電磁的記録です。口頭ではありません。
オーネットの公式Q&Aにも、次の記載があります。
契約書面の交付から8日間以内であれば全額返金します。また、8日間を過ぎた場合は、特定商取引法に則り、以下に定める金額の他の請求は致しません
オーネット スーペリアの料金ページにも同様の記載があります。
入会契約者は、入会契約日から8日以内であれば、書面の通知により、無条件に入会契約を解除できます
出典:onet.co.jp/service/qa/fee/、superior.onet.co.jp/fee/(2026年8月14日確認)
3. 中途解約はいつでもできます
クーリング・オフの8日間を過ぎても、契約期間中はいつでも、理由を問わず中途解約できます。 これも法律で認められた権利です。
「1年契約だから途中でやめられない」ということはありません。
4. 解約時に請求できる金額には上限があります
これが最も重要な部分です。 中途解約したときに事業者が請求できる損害賠償等の額には、法律で上限が定められています。
| 時点 | 結婚相手紹介サービスの上限額 |
| 役務提供開始前 | 3万円 |
| 役務提供開始後 | 2万円 又は 契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額(+提供済み役務の対価) |
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド(2026年8月14日確認)
役務提供開始後の上限は「2万円」と「残額の20%」を比べて低いほうです。たとえば契約残額が5万円なら20%は1万円なので、上限は1万円になります。
高額な違約金を提示された場合、それが上記の上限を超えていないかを確認してください。提供済みのサービスの対価は別途請求されますが、損害賠償として請求できる額そのものには上限があります。 納得できない場合は、支払う前に消費生活センターへ相談してください。
各社の解約に関する記載も確認しました。
| 会社 | 公式サイトの記載 |
| オーネット | 「会員活動開始後、いつでも中途解約できます。規定に基づいて前払い料金内で返金がある場合は返金します。解約・退会後に月会費は発生しません」 |
| エン婚活エージェント | 中途退会は毎月15日までの申し出で当月末、16日以降で翌月末。退会手数料なし |
| その他5社 | 公式サイトで解約条件の記載を確認できず |
出典:各社公式サイト(2026年8月14日確認)
5社については公式サイトで確認できませんでした。 概要書面には必ず記載されるべき項目なので、契約前に書面で確認してください。
5. エン婚活エージェントは前提が異なります
エン婚活エージェントの公式FAQには、次の記載があります。
最低活動期間はございませんので、お客様のご都合に合わせてご退会いただくことが可能です。ご契約は月単位となり、毎月25日までのお申し出で当月末退会となり、お客様からのお申し出が無い場合は、契約は毎月自動更新となります。解約時、サービス卒業時も料金はかかりませんのでご安心くださいませ。
出典:en-konkatsu.com(2026年8月14日確認)
契約が月単位のため、特定継続的役務提供の「期間が2月を超えるもの」という要件に当たらない可能性があります。
ただしこれは不利という意味ではありません。法律の保護を持ち出すまでもなく、毎月やめられる契約だということです。他社(たとえばオーネットは会員期間が1年間の自動更新)とは前提が違うため、比較する際は分けて考えてください。
契約前のチェックリスト
- 概要書面を受け取る 契約前の交付は事業者の義務です。その場で契約せず、持ち帰って読んでください。
- 1年間の総額を計算する 初期費用+月会費×12+成婚料。月会費だけを見ないでください。掲載9社(総額を計算できる8社・26ケース)で178,200円から1,018,000円の幅があります。
- 成婚料が発生する条件を確認する オーネットとツヴァイのIBJ連携プランは、相手がどちらの会員かで220,000円変わります。
- 解約の手続きと金額を確認する 何日までに申し出れば当月末か、返金の規定はどうなっているかを書面で確認します。
- 休会制度を確認する 休会中の月会費はオーネット2,200円、ツヴァイ1,650円、エン婚活7,150円です。制度がない会社もあります。
- 契約書面を保管する クーリング・オフの起算点は書面を受け取った日です。受け取った日付がわかる形で保管してください。
困ったときの相談先
契約や解約について事業者と話がつかない場合は、お住まいの自治体の消費生活センターに相談できます。 消費者庁は消費者ホットライン「188」を案内しており、電話をかけると最寄りの相談窓口につながります。
参照:消費者庁 特定商取引法ガイド(2026年8月14日確認)
支払う前、あるいは書面にサインする前に相談してください。支払ってしまってからでは取り戻すのに手間がかかります。
よくある質問

- 結婚相談所を途中でやめると違約金を取られますか。
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法律で上限が決まっています。役務提供開始前は3万円、開始後は「2万円」または「契約残額の20%」のいずれか低い額に、提供済みのサービスの対価を加えた額が上限です(消費者庁 特定商取引法ガイド・2026年8月14日確認)。これを超える請求には応じる必要がありません。
- クーリング・オフは契約日から8日ですか。
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違います。「法律で決められた書面を受け取った日」から8日以内です。契約日と書面の交付日がずれている場合は、書面を受け取った日から数えます。方法は書面または電磁的記録で、口頭では認められません。
- 1年契約だと途中でやめられませんか。
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やめられます。クーリング・オフ期間を過ぎても、契約期間中はいつでも理由を問わず中途解約できると特定商取引法で定められています。オーネットも公式Q&Aで「会員活動開始後、いつでも中途解約できます」と記載しています。
- その場で契約を勧められたらどうすればよいですか。
-
契約前に概要書面を交付することは事業者の義務です。「書面をいただいて持ち帰り、検討します」と伝えてください。割引の期限を理由に即決を求められても、書面を確認してから判断することをおすすめします。
- 成婚料をめぐるトラブルを避けるには何を確認しますか。
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「どの場合に成婚料が発生するか」を書面で確認してください。オーネットのIBJプランとツヴァイのIBJプランは、成婚した相手が自社会員かIBJ会員かで220,000円変わります。IBJネットワークには約4,300社が所属しているとツヴァイが記載しており、相手がどちら側かは事前に選べません。
- 解約について会社と話がつきません。
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お住まいの自治体の消費生活センターに相談してください。消費者庁の消費者ホットライン「188」に電話すると最寄りの窓口につながります。支払う前、サインする前に相談することをおすすめします。
まとめ
結婚相談所とのトラブルを防ぐために知っておくとよいことは、次の5つです。
- 結婚相手紹介サービスは特定商取引法の対象(期間2月超・金額5万円超の契約)
- 契約前に概要書面を交付する義務が事業者にある。 その場で契約しなくてよい
- クーリング・オフは法定書面を受け取った日から8日以内。契約日からではない
- 中途解約はいつでもできる。契約期間中の解約は法律で認められている
- 解約時に請求できる額には上限がある(開始前3万円/開始後は2万円か残額20%の低いほう+提供済み対価)
加えて、当サイトが公式サイトで確認できた範囲では、7社中5社は解約条件を公式サイトに掲載していませんでした。 概要書面で必ず確認してください。
